不動産特定共同事業における「分別管理」と「帳簿書類作成・会計処理」について☆Webセミナー開催のお知らせ。

大型連休明けを目途に出されている外出自粛要請(ひとまず)は、折り返し地点を過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか?

カピバラ事務所は元気に就業中。今週は、とある県に申請していた不動産特定共同事業の約款の変更と追加の認可が下りました。

緊急事態宣言の影響で、行政対応も滞りがちのなか、相談から2週間程度で認可が下りるという、おどろきの早さキラキラ

迅速に対応してくださった県担当者様に感謝するとともに、不動産特定共同事業の申請をするならこの県がよいなあ・・・・なんてと思ってしまいました(笑)

FTKの『分別管理』と『会計実務』をテーマとしたWebセミナー(全3回)を開催します!!

さて、カピバラ好き行政書士事務所では、不動産特定共同事業(FTK)ファンドにおける投資家保護の基礎となる『分別管理』と『会計実務』をテーマとしたWebセミナーを全3回にわたり開催いたします下矢印

第8回】不動産特定共同事業セミナー FTKの『分別管理』と『会計実務』

顧客財産の流用防止を企図する『分別管理』は、FTKコンプライアンスの最重要テーマの1つ。

しかし、様々なFTK事業者の募集書類等を見ていると、分別管理が徹底されていないと見受けられる事例が多々ありますおばけくん

また、分別管理の実効性を確保するには、正確な帳簿書類の作成、特にファンドの『会計実務』を理解することが必須となります。

今回のWebセミナーでは、FTK事業者が遵守すべき『分別管理』のルールと、FTKファンドの『会計実務』を徹底解説しますおねがい!

興味関心をお持ちの方は、お申込みください。

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さて、本日はここから、不動産特定共同事業における「分別管理」を、対談形式で解説いたします拍手拍手

Webセミナーを受講される皆様は、受講前に是非ご一読くださいピンク音符

分別管理とは?

おねがい「こんにちは、カピバラ好きの日本橋くるみ行政書士事務所のブログに遊びに来ました!!

今日は分別管理について解説してもらいます。」

ハムスター「こんにちはピンクハートカピバラ好き行政書士ですキラキラ

おねがい「そもそも分別管理とは、どういうものですか?

ハムスター「分別管理とは、金融商品取引業者等が、投資家(顧客)から預かった財産と自己の財産を分けて管理(保管)することを定めたルールをいいます。」

ニコニコ「金融商品取引業者等・・・・・・とは、具体的には誰を指すのでしょうか?

ハムスター「典型的には、『証券会社』と呼ばれる第一種金融商品取引業者が該当します。証券会社は、顧客から預かった有価証券(株式、債券、代用有価証券等)や金銭(代金、配当金、償還金等)を、自己の財産と区別して管理することが法令で義務付けられています。」

ニコニコ「私が証券口座に預けたお金は、証券会社の財産から切り離されて管理されているのですね。

何のために分別管理を行うのでしょうか?

ハムスター「事業者による顧客財産の流用を防ぐことが、分別管理の第一の目的です。

証券会社が顧客から預かったお金をハイリスクな投資に充てて運用に失敗したら大変ですよね。事業者が顧客の財産を勝手に流用しないように、自己の財産との厳密な分別管理が求められているのです。

また、証券会社は、倒産隔離(顧客財産を証券会社の倒産リスクから切り離すこと)を目的として、顧客から預かったお金を『顧客分別金信託』という方法で信託銀行等に信託することも義務付けられています」

キョロキョロ「顧客分別金信託とはどのような仕組みですか?

ハムスター「顧客分別金信託では、万が一、証券会社等が破綻・廃業した場合など、実際に投資家に金銭を返還する際には、信託銀行等(受託者)から受益者代理人を通じて、個々の投資家に資産を安全に返還することになります。」

照れ「証券会社における分別管理の目的は、顧客財産の流用防止と倒産隔離ということですね。それは重要だし、安心だなあキラキラ

不動産特定共同事業者に課せられる分別管理のルールは??

口笛「それでは、いま流行りの不動産特定共同事業(FTK)については、分別管理のルールはどうなっていますか?

ハムスター「FTKは、投資家から募る資金により財産(不動産)を取得して運用を行うビジネスです・・・」

ニコニコ「顧客から財産を預かるという点は、証券会社と同じですね。」

ハムスター「そう。そこで、不動産特定共同事業法(FTK法)も、投資家保護の観点から、不動産特定共同事業者に対して、運用財産を自己の財産と切り分けて適切に管理することを義務付けています。」

ウインク「先ほどの証券会社と同様の方法で分別管理でを行うのですか?

ハムスター「不特事業(FTK)における分別管理は、その不特事業者の役割によって、求められる分別管理の方法や内容が異なります。」

ニコニコ「え、どういうことですか?

ハムスター「はい。まず、不特事業者のうち、第1・3号事業者、小規模第1・2号事業者、特例事業者又は小規模特例事業者について説明しましょう。」

ニコニコ「不特事業者の中でも、投資家から財産を集めて、対象となる不動産を取得して運用を行う役割ですね。」

ハムスター「これらの事業者は、分別管理として、次の2つを実施する必要があります。

①対象不動産が同一である不動産特定共同事業契約ごとに帳簿書類を作成する。

②不動産特定共同事業の業務に係る金銭を、対象不動産が同一である不動産特定共同事業契約ごとに金融機関の口座にて管理する。」

ニコニコ「事業者の財産と、不特事業として運用する財産を区別して管理することで、顧客財産の流用防止を図ることができるというものですね」

ハムスター「はい。個別に管理するための金融機関の口座は、当該不特事業の管理用の金銭であることが名義から明らかなものにしなくてはなりません」

爆  笑「不特契約ごとに個別の対象不動産の取得、運用という使途が決まっているため、別々に銀行口座が必要になるのですね。」

ハムスター「『○○ファンド1号預り口』とか『日本橋ファンド管理口座』のように一目瞭然わかりやすい名義が良いですね。」

ニコニコ「何か注意すべきポイントはありますか?

ハムスター「証券会社の分別管理では、顧客から預かったお金を『顧客分別金信託』という方法で信託銀行等に信託することも義務付けられていましたが、上記の不特事業の場合は、信託銀行等への信託は求められていません。

第1号事業者や、小規模第1号事業者が行う、預り資産と事業者の資産を区別するだけの分別管理は、事業者が破綻したとき、全て事業者の資産として混ざってしまうので、倒産隔離の観点からは不十分であるという点は大きな課題です」

この点、SPCを使ってファンドを組成する『特例事業』では、事業者が破綻してもSPCは引き続きファンド運用を続けることができるため、顧客財産(対象不動産や現金)の倒産隔離を図ることができます。

キョロキョロ「SPCを使えば帳簿や銀行口座も完全に切り離されますから、顧客資産保護の観点からは、特例事業の普及が望まれますね。」

ハムスター「そのとおりです。次回のブログでは、FTKファンドのプラットフォーマーである、第2号第・4号事業者に課せられる分別管理のルールを見ていきましょう」

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