不動産鑑定鑑定取らない⇒「仕入れ価格」の開示が必須に? 不特法・監督留意事項の改正ポイントを読み解く

※本解説は、2026年6月16日現在の改正案に基づくものです。今後内容が変更される可能性があるため、実務対応にあたっては必ず最新情報をご確認ください。

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おはようございます、不特法アドバイザーの石井くるみです。

本日は、不動産特定共同事業法施行規則と監督留意事項の改正案のうち、実務上の影響が大きい「対象不動産の仕入れ価格の開示」について解説します。

2分で分かる解説動画はこちら↓

https://youtu.be/y-CUbUogDFs

今回のポイントはシンプルです。

利害関係人から不動産を取得する場合に、鑑定評価を取らないのであれば、

いわゆる“仕入れ価格”の開示が問題になるという点です。

 

利害関係人取引では価格の説明がより重要に

不特法ファンドでは、投資家のお金で不動産を取得します。

そのため、対象不動産をいくらで取得するのか、その価格が妥当なのかは、投資判断にとって非常に重要です。

特に、グループ会社や関係会社などの利害関係人から不動産を取得する場合には、

「関係会社から高く買わされていないか」
「事業者側に過大な利益が乗っていないか」

という点が問題になります。

そこで今回の改正案では、利害関係人取引における取得価格の説明が、より具体的に求められる方向になっています。

鑑定評価を取らない場合に必要な説明

利害関係人から対象不動産を取得する場合でも、常に不動産鑑定評価が必須というわけではありません。

ただし、鑑定評価を取らない場合には、次のような事項を前書面に記載する必要があります。

・鑑定評価を受けていない理由
・過去に非利害関係人との売買がある場合、その直近の売買価格と内容
・近傍同種・類似不動産の取引価格、公示価格、路線価、販売公表価格など
・取得価格との差額がある場合、その差額と理由

ここで特に重要なのが、過去の非利害関係人との直近売買価格です。

実務上、これは不特事業者が、外部の売主から物件を取得した価格、つまり「仕入れ価格」に近い意味を持つことがあります。

利害関係人取引の場合鑑定評価を取らずして「仕入れ価格は不開示」は認められない

監督留意事項案では、直近の非利害関係人売買価格を示せない場合には、鑑定評価を取得する必要があるとされています。

たとえば、次のような場合です。

・過去の売買を遡れず、直近売買を特定できない
・売買当事者が価格や内容を開示しない
・前書面への記載について承諾が得られない

このような場合に、鑑定評価を取らずして「仕入れ価格は非開示です」として処理することはできません。

仕入れ価格を開示できないのであれば、鑑定評価を取得する必要があるという整理になります。

価格査定マニュアルでは代替できない

もう一つ注意すべき点があります。

利害関係人取引の場合、宅建業者の価格査定書や価格査定マニュアルによる説明をもって、鑑定評価や直近売買価格の開示に代えることはできないと考えられます。

価格査定マニュアル等は、主に利害関係人取引に該当しない通常の取得取引で、宅建業者の価格意見の根拠として使われるものです。

つまり、利害関係人取引では、

・鑑定評価を取るか
鑑定評価を取らずに、仕入れ価格や類似不動産価格など必要事項を開示するか

の判断が重要になります。

実務上の注意点

実際の案件では、判断が簡単でないケースもあります。

たとえば、新築完成物件で、土地だけを過去に非利害関係人から取得しており、完成物件については販売公表価格があるような場合(要するに土地を仕入れて自社で開発を行った場合)には、どの価格を開示すべきか慎重な検討が必要です。

このようなケースでは、早めに所管行政庁に確認することも重要です。

まとめ

今回の改正案のポイントは、次のとおりです。

・利害関係人取引で鑑定評価を取らない場合には、直近の非利害関係人売買価格、つまり実務上の仕入れ価格に相当する情報の開示が問題となる。

・そして、その価格を開示できない場合には、鑑定評価を取得する必要がある。

今後、不特法ファンドを組成する際には、案件の初期段階で、

✓仕入れ価格を開示できるか
開示できないなら鑑定評価を取得するか

を検討することが、これまで以上に重要になります。

改正内容のビジネス影響を正しく理解して、より透明性の高い情報開示を求める、新たな規制への対応を進めていきましょう!

 

 

 

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