今注目の「オルタナティブ投資」とは
みなさまは「オルタナティブ投資」という言葉を耳にしたことありますか
オルタナティブ(alternative)とは、「代替する」「新しい」という意味の英単語です。
投資の世界では、上場株式や債券といった伝統的な投資商品に代わる、新しい商品を運用対象とする投資を「オルタナティブ投資」といい、近年、注目を集めています
【オルタナティブ投資の具体例】
①デリバティブ (例:オプション、スワップなど)
②未上場株式 (例:スタートアップベンチャー株式などのPrivate equity)
③貸付金 (例:不動産担保ローン、消費者ローンなど)
④商品 (例:金、プラチナ、石油、トウモロコシ、大豆などのコモディティ)
⑤動産 (例:航空機、船舶、コンテナなど)
⑥不動産 (例:オフィス、住宅、倉庫、インフラなど)
これらの商品の一部は、ネット証券やクラウドファンディングを通じた販売が始まっていて、株式や債券に代わる「オルタナティブ投資」の機会が、私たち個人投資家にも広がりつつあります
なぜ「オルタナティブ投資」が注目されるのか!?(3つメリット)
なぜ、伝統的な株式や債券投資ではなく、オルタナティブ投資に注目が集っているのでしょうか?
そこには、「より高いリターンを追求」、「分散投資」、「節税」の大きな3つの理由があります
①高いリターンの追求
近年の世界的な金融緩和の結果により伝統的な商品である株式・債券ともに投資利回りが低下しています。
特に安定志向の投資家に好まれる「債券」については・・・・
日本やスイスなど一部の国では国債利回りがマイナス▲という厳しい投資環境となっています
伝統的な金融商品の利回りが低下する中、これらとは相関が低く、
・「デリバティブ」を主な投資対象としてレバレッジを効かせるヘッジファンド
・利回りの高い「不動産担保ローン」を投資対象とするソーシャル・レンディング
といったオルタナティブ投資商品が、高利回り商品として人気を集めています
②分散投資
投資理論では、投資する資産はできるだけ分散することが重要とされています。
『Don’t put all your eggs in one basket.』(=複数の卵を1つのカゴに入れてはいけない)という格言が示すとおり、例えば1つの銘柄のみに全ての資産を投資していると、その銘柄の株式相場が下がったときに大損失を被ってしまいます(卵が全て割れてしまう)
資産が伝統的な金融資産(例:上場株式、債券)に集中している投資家が、「オルタナティブ投資」をすることによって、資産ポートフォリオのリスク分散を図ることができます
1つの銘柄よりも複数の銘柄へ
1つの国ではなく海外の様々な地域に
1つの分野だけではなく様々な分野へ
金融商品だけではなく、商品、不動産など様々な商品へ
特に金融資産との価格連動性が低い“実物資産(モノ)”を対象とするオルタナティブ商品は、大きな分散効果を生むと言われています
③節税
オルタナティブ投資商品の中には、とりわけ節税に役立つ商品があります
例えば、「航空機」を対象とした“レバレッジドリース”と呼ばれるファンド商品は、臨時的に多額の利益が出てしまう法人経営者に人気です
これは、ファンド商品が組合形態で組成されていることから、航空機のリース事業から得た利益が投資家に直接課税されるところ、飛行機の減価償却費は定率法で計算されるため、投資期間の初期に多額の減価償却費が費用計上される結果、ファンド商品を購入した投資家は購入直後に多額の損金(=税務上の費用)を計上して利益を圧縮することができるからです
むろん、レバレッジドリースの投資期間の後半には、減価償却費が少なくなり、逆に多額の利益が計上されますが、①課税の繰延や、②利益計上時期のコントロールを図ることができます。
おすすめの「オルタナティブ投資」は
様々な種類がある「オルタナティブ投資」ですが、カピバラ好き行政書士がおすすめするのは、とりわけ「不動産」を投資対象とするファンド商品です。
その理由は主に、①市場規模の大きさ、②投資の安定性(分散効果)、③金銭以外の価値にあります
①市場規模の大きさ
なんと言っても不動産はその市場規模の大きさが最大の魅力です。
内閣府によると、日本の不動産の時価総額は2,519兆円。
うち、証券化の対象となりうる公的不動産590兆円と、法人所有不動産430兆円を合わせると、実に1,020兆円もの規模になります。
【参考ブログ記事】
総合ユニコム「不動産ファンドの法律とスキーム解説」登壇のご報告☆
現時点で国内において証券化されている不動産はリートなどを含めても約35兆円。
飛行機や船舶などに比べても圧倒的な市場規模を誇る「不動産」こそが、オルタナティブ投資の主役となることは間違いありません
②投資の安定性(分散効果)
投資家目線において、不動産を対象とするオルタナティブ投資の一番の魅力は、投資の安定性にあると言えます。
実物不動産を直接所有する、いわゆる普通の「不動産投資」は、上場株式や債券と並ぶ、伝統的な投資として定番ですが、その人気の理由は、投資から得られるリターンの安定性によるところが大きいと考えます。
例えば、上場株式や債券ですと、企業の業績や、金融政策、金融危機などの様々な影響を受けて、投資の価値(時価)が大きく変動してしまいます
対照的に、不動産投資であれば、賃料が株価のように大きく変動することはありませんので、安定した投資回収を読むことができます。
前述の『分散投資』の観点からも、不動産は、株式や債券といった金融資産との相関性が低いと言われ、リスク分散効果に優れています
③お金以外の価値
これは最近の潮流である「不動産クラウドファンディング」により生み出される、今までにない、不動産オルタナティブ投資の魅力です。
不動産クラウドファンディングでは、投資先の不動産の所在地や事業目的を明らかにした投資の募集が行われます。
例えば、不動産クラウドファンディングに取り組む(株)クラウドリアルティが組成した「渋谷区上原シェア保育園ファンド」を見てみましょう。
このファンドは、待機児童の多い地域で、新たに保育園を建設するための資金を集める目的で組成されました。
この地域に住む人々は、不動産クラウドファンディングを通じて同プロジェクトに投資をすることで、地域に保育園が建設され、待機児童問題の解消が図られ、自分たちの住む地域をより良くすることができます。
このように、不動産クラウドファンディングの投資家は、出資から得られるリターンに加え、自分が住んでいる地域・街を良くする副次的なリターン(お金以外の価値)を受け取ることができます。
また、(株)エンジョイワークスが組成した「泊まれる蔵プロジェクト」では、“宿づくりファンドへ投資して事業体験をしよう”をコンセプトに、投資家が宿づくりに参画するというユニークな試みが行われました。
この例でも、事業参画による宿づくりの経験・ノウハウ獲得といった「お金以外の価値」が生み出されています。
不動産クラウドファンディングは、自分が住んでいる地域や、生まれ育った故郷、思い入れのある地域/事業に関係する不動産を直接の投資対象とできる点で「お金以外の価値」を創出できる、新しいオルタナティブ投資であると言えます。
この点、不動産クラウドファンディングは、ESG投資(環境、社会、ガバナンスを重視する投資)の1つとしても位置付けられます
「オルタナティブ投資」に興味を持ったら
・日時:2019年8月3日(土)14:00~16:30(13:45受付開始)
・場所:〒1500002 東京都 渋谷区 渋谷 2-14-13 岡崎ビル2F
・参加費:2000円
・お申込み:https://event.enjoyworks.jp/index.php?id=9
会場でお会いできるのを楽しみにしています