「みんなで大家さん」顕在化する破綻リスク ―分配金遅延、借地契約終了、バナナ事業の実態不透明―

本日は、成田の借地契約の延期拒否など、ここ数日で立て続けに報道されている「みんなで大家さん」関連の重大ニュースをまとめ、投資家保護の観点から押さえておくべきポイントをお伝えします!

 

1.分配金遅延はついに「5か月連続」へ

運営会社・都市綜研インベストファンドは11月28日、
「極めて厳しい局面にあると投資家に通知しました。

  • 11月末時点で 19商品が遅延
  • 7月以降、5か月連続で遅延
  • 運営会社は「計画変更は予定していない」とするものの、実質的には資金繰りが極度に悪化している状況です。

出資金は投資家約4万人・総額2,072億円(25年3月時点)。
信用不安は市場全体に波及しつつあります。

2.主力案件「ゲートウェイ成田」:NAAが借地契約延長を拒否

成田空港近くの大規模開発(GATEWAY NARITA)について、
最大の転機が訪れました。

成田国際空港会社(NAA)が

「11月30日を期限に借地契約を延長しない」

と決定。

これにより:

  • NAA所有地(計画地の4割)の工事が停止
  • 開発工程は大幅に遅延
  • 造成完了予定は2027年8月末(当初から6年5か月遅れ)

NAAは延長の条件として共生バンクに

「工事遂行能力の証明(20〜40億円規模)」を求めていたものの、
資料が期日までに示されず、延長を拒否したと報じられています。

3.成田市は「4度目の延期」を受理しつつ…

一方で、開発許可を出している成田市は、
事業者からの「工事延長届」を受理

  • 市長:「造成工事は完了してほしい」
  • ただし、市は「投資商品そのものを許可した立場ではない」として責任を否定

市はこれまで4回延長届を受理しており、
開発許可の実効性は形骸化しつつある状況です。

4.「バナナ事業」も深刻な実態——

みんなで大家さんグループが展開してきた
「バナナ関連商品」(総額64億円規模)でも、次々と問題が表面化していますバナナ

◆(1)福岡:バイオセンター

  • 年間1万苗体制と説明
  • 実際は「出荷実績なし」と農水省が国会答弁ガーン
  • 施設は事実上稼働していない状態

◆(2)佐賀:みやき町

  • 初期に収穫したのみ
  • ここ3年間の収穫量は約1トン程度(=売上は数百万円規模)
  • ビニールハウスは半放置状態

◆(3)鹿児島(指宿・南九州市)

  • 指宿のハウスは「神バナナ」と無関係の会社が小松菜栽培宇宙人くん
  • 南九州の施設は雑草だらけで荒廃
  • 本社は無人、代表者A氏の自宅も転居済みガーン

◆(4)奄美大島(18億円商品)

  • 52棟のハウスは骨組みだけ残り、稼働実態なし
  • 本社住所も空きプレハブ
  • 出荷実績は皆無とみられる

賃料収入を原資とするスキームの根幹が崩壊している可能性が高い状況です。

 

まとめ:不特法の「本来の意義」が問われている

本件の背景には、 行政や投資家への説明内容と経営実態の乖離しており、

その根本原因は経営者の誠実性(インテグリティ)の欠如があります。

不特法を利用した大規模な不正事案が明らかになりつつある今、
不動産クラウドファンディング業界における
法令遵守・内部管理・ガバナンスの重要性
がより強く問われる局面と言えます!!

引き続き、メルマガやコンプライアンス研修での情報発信を通じて、

業界の信頼回復に微力ながら尽力して参りたいと思います🤗

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