2026年5月19日、「2026年不特法コンプライアンス研修 第2回」を開催しました。
今回は、令和8年施行予定の不動産特定共同事業法施行規則改正をテーマとして、
・利害関係人取引
・想定利回りの説明義務
・開発型ファンド
・継続開示
・出資金使途
・電子取引業務
など、実務への影響が大きいポイントを中心に解説を行いました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
改正の本質「不透明感の排除」
今回の研修では、単なる条文解説ではなく、
「なぜ今回の改正が行われるのか」という背景から整理しました。
近年、不特法市場は急速に拡大し、一般投資家による電子取引型ファンドへの参加も増加しています。
その一方で、
・高利回りの根拠が見えない
・グループ会社間で価格や賃料が循環している
・開発案件のリスクが十分に説明されていない
・出資金がどこに使われているか分かりにくい
といった問題も顕在化してきました。
今回の改正は、こうした「ブラックボックス化」を解消し、
「事業者が説明可能な状態を作る」
ことを目的としている点が非常に重要です。
利害関係人取引が最大の論点に
今回の研修で特に重点的に取り上げたのが、「利害関係人取引」です。
改正後は、
・自社保有物件の組み入れ
・グループ会社間売買
・後継ファンドへの再組成
・AM会社との関係性
・利害関係人への賃貸
などについて、従来以上に厳格な説明が求められます。
特に「なぜその価格なのか?」「なぜその賃料なのか?」について、
・鑑定評価
・近傍同種の取引価格
・類似賃料
・宅建業者意見
などを用いて、合理的に説明する必要がある点は、実務上極めて重要な変更点です。
数字の羅列では足りない時代へ
今回の改正では、「形式的に適法か」だけではなく、
「投資家に対して合理的に説明できるか」が重要視されている印象があります。
例えば、利害関係人取引そのものは禁止されていません。
しかし、
・価格決定プロセス
・第三者性
・時価との比較
・利益相反管理体制
などを説明できない場合、監督上問題視される可能性があります。
研修では、実際のファンド組成を想定しながら、前書面記載事項のフローチャートも用いて具体的に整理しました。
開発型ファンドへの影響
開発型ファンドについても、大きな変更があります。
改正後は、
・開発許可
・建築確認
・工事概要
・資金計画
・工事進捗
・今後の予定
などについて、契約成立前書面だけでなく、財産管理報告書でも継続的な開示が求められます。
つまり、募集時だけ説明すれば終わりではなく、
「運用中も継続して説明責任を負う」
方向に制度が変化しています。
HP等での継続開示も強化
電子取引業務についても、
・利害関係人取引
・工事進捗
・利益分配
・資金使途
などについて、HP等で継続開示が求められる方向となっています。
今後は、法定書面・社内規程・業務フロー・HP開示・委員会運営
がバラバラではなく、全体として整合していることが重要になります。
今後の実務で重要になること
今回の研修では繰り返しお伝えしましたが、今後は、「書類を作ること」ではなく、
「説明できる運用体制を構築すること」が極めて重要になります。
特に、
・価格決定プロセス
・利益相反管理
・継続開示
・投資家説明
・社内牽制体制
などは、今後の不特法実務の中核になっていくと考えられます。
今回の改正は、不特法市場の透明性と信頼性を高める大きな転換点になると感じています。
くるみ事務所では、
・改正施行規則対応
・法定書面改訂
・業務方法書・社内規程整備
・利害関係人取引管理
・電子取引業務対応
・開発型ファンド対応
などについて、実務支援を行っております。
ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
