23年度は2349億円!個人投資家をターゲットに急成長するセキュリティートークン市場

急速に広がるセキュリティートークン市場
近年、セキュリティトークン(ST)の市場規模が急速に拡大しています。
公募STの総資産額は、21年度が127億円、22年度が482億円から23年度は2349億円に達する見込みで、2年間で著しい成長を遂げています。


セキュリティートークンとは?
セキュリティトークンは、ブロックチェーン(分散型台帳技術)を利用して発行・管理されるデジタル化された有価証券で、デジタル証券とも呼ばれます。ビットコインなどの暗号資産とは異なり、不動産や社債など多様な資産を裏付けることができるのが特徴です。
2020年5月の改正金融商品取引法施行により、STは「電子記録移転有価証券表示権利等」と規定され、金融商品取引業者や登録金融機関で取り扱い可能となりました。

トークン化のメリット
STには発行体と投資家の双方にメリットがあります。ブロックチェーンの活用により、発行体や証券会社の業務プロセスが効率化され、個人投資家の投資ハードルが下がります。発行体は、投資家との直接的なつながりを持ち、情報を発信や対話することができます。また、金銭以外のリターンを設定しやすい点も特徴です。

魅力は商品の多様性!ST成長の鍵
現時点では、国内のSTの発行実績は国内不動産を裏付けとするものが主流ですが、今後は裏付け資産の多様化が注目されるでしょう。
例えば、政府は近年、「スタートアップ育成5カ年計画」を掲げ、スタートアップへの投資を27年度に20兆円規模に引き上げることを目標としていますが、小口のSTを通じて個人がベンチャーキャピタルに投資できるようにすることで、個人のリスクマネーをスタートアップに流れる仕組みを作ることができます。他にも、航空機、船舶、未公開株、再生可能エネルギーの発電設備など、STは、様々な資産を小口証券にすることができます。
大阪の私設取引所「START」の画像


セキュリティートークンの課題…税金と流動性
一方で、セキュリティトークンにはいくつかの課題があります。例えば、トークン化の方法によって税金の取り扱いが異なり、配当の課税については、受益証券発行信託は配当所得(申告分離課税)、匿名組合方式は雑所得(総合課税)として扱われます。
また、STの流動性も課題とされていますが、昨年末にSBIグループ等が出資したSTのPTS(私設取引所)「START」開設により、流動性の向上が期待されています。

まとめ
セキュリティトークンの市場規模が急速に拡大しており、公募STの総資産額も著しい成長を遂げています。STを利用することで、多様な資産に「小口化」「低コスト化」「流動性の向上」を付与し、2100兆円の金融資産を持つ個人投資家の投資の裾野を広がることが期待されます。今後、どんなおもしろい商品が登場するの、かわくわく注目していきましょう😊

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