不特法改正、何が変わる?ビジネスへの影響と実務対応を解説―第2回は9月25日を予定

9月14日、オンラインセミナー「不特法8月改正――ビジネスへの影響と実務対応」を開催しました。

ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

今回のセミナーでは、改正条文を順番に解説するのではなく、次の問いを中心に検討しました。

「今回の改正によって、これまでの不特法ファンドビジネスの何が変わるのか?

対象不動産の取得、賃貸・運用、開発、売却、後継ファンドへの再組成という事業の流れに沿って、主に次のポイントを解説しました。

■ 鑑定評価の取得が組成プロセスに組み込まれる

改正後は、取得、利害関係人への賃貸、売却等の各場面で、鑑定評価が必要となるケースが増えることが想定されます。

実務上の問題は、鑑定費用だけでなく、スケジュール管理にも影響します。

証券化対象不動産の価格鑑定では、実地調査、エンジニアリング・レポートの準備、DCF法等の検討が必要となることがあります。必要性を組成終盤で判断すると、募集開始や決済に間に合わないおそれがあります。

そのため、仕入・企画段階から鑑定の要否、必要資料、現地調査、費用、納期を確認し、組成スケジュールへ組み込むことが重要になります。

■ 利益相反管理は「価格」だけで終わらない

利害関係人への売却や後継ファンドへの再組成では、鑑定評価が価格決定の客観的な基準になります。

ただし、鑑定評価額に沿ってさえいればよいということではありません。

「なぜその相手方と取引するのか」という判断まで正当化してくれるものではないのです。

第三者への売却、継続保有、後継ファンドへの再組成などを比較し、手取り額、決済の確実性、時期、契約条件、リスクを踏まえて、利害関係人を取引相手として選んだ理由を説明できることが必要です。

■ 開発型では「当初計画と実績」をつなげる

開発型ファンドでは、募集時に工事計画、資金計画、出資金の使途等を説明します。

運用開始後は、実際の支出額、工事の進捗、今後の資金計画、当初計画からの変更内容等を「財産管理報告書」で継続的に報告します。

今までは継続開示に関する具体的なルールがなかったので、これは重要な改正点です。

電子取引業務のHPは、契約成立前書面の所定事項を投資家が閲覧できる形で掲載する位置づけです。運用中の実支出や工事進捗を報告する中心は「財産管理報告書」であり、両者の役割を分けて設計する必要があります。

開発型では、「バラ色の計画を示すこと」だけでなく、計画変更後も投資家へ説明し続けられる管理体制が商品設計の一部になります。

■ 開示拡充は、仕入れやリーシング契約にも影響する

今回の改正による開示事項には、営業上の機微情報が含まれる可能性があります。

例えば、スポンサーの仕入価格、個別のテナント賃料、グループ会社との賃貸借条件、工事費や資金使途などです。

分配見込額や利回り等を表示し、その算定根拠が複数の賃貸借契約である場合には、契約ごとの賃料等を示すことも問題になります。

したがって、仕入先、テナント、オペレーター、工事請負先等との契約やNDAでは、法定書面等への情報開示を許容する条項を検討する必要があります。

開示できない場合には、鑑定評価の取得だけでなく、利回り等の表示方法、取引条件、商品設計そのものの見直しが必要になることもあります。

■実務への対応前に確認したいこと

書面の改訂に着手する前に、まず次の点を確認することが重要です。

・必要な価格、賃料、工事費等の情報を取得・開示できるか
・契約やNDAによる開示制限がないか
・どの時点で鑑定評価が必要となるか
・利害関係人取引がどこで発生するか
・スポンサー買戻しや再組成以外のEXITを用意できるか
・改正対応コストを含めても、現在の商品が採算に合うか

今回のセミナーでお伝えした内容は改正対応そのものではありません。

「対応できるか」だけではなく、対応コストや説明負担を踏まえても、そのファンドモデルを続ける価値があるのかを判断する必要があります。

9月25日の「実務対応編」では、継続するファンドモデルについて、契約成立前書面、財産管理報告書、HP、社内規程、審査フローへどのように実装するかを具体的に解説します。

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不特法施行規則2026年8月改正対応セミナー(全2回)

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