9月の頭、倉敷でホテルを営業されているお客様から依頼を受けた旅館業の変更届の申請手続きのため、岡山県に行って参りました
岡山県は温暖な気候で晴れの日の多く、自然豊かで美味しい農産物もたくさん収穫されるため「晴れの国おかやま」と呼ばれています
日本昔話で有名な「桃太郎」伝説発祥の地でもあります。
岡山市内のマンホールも桃太郎
近隣の敷地に複数のホテルを経営されているお客様から、「複数のホテルそれぞれにフロントを設けてスタッフを常駐させるのは非効率的ですし、人件費ももったいないので、なんとかならないでしょうか」という内容のご相談を受けは、実は、約1年半ほど前に遡ります。
当時は、旅館業法施行令改正により、「簡易宿所営業」について客室面積の緩和と玄関帳場不要の通知がなされた時期(2016年4月)です。しかし、あくまで簡易宿所営業についてのみの緩和で、「ホテル営業」「旅館営業」においては依然として玄関帳場が必須とされていたため、保健所にかけあってみたものの、やはり「簡易宿所でないのでNG」と残念な結果に終わりました。
それが2年の歳月を経て、2018年6月施行の改正旅館業法により、「旅館・ホテル営業」においても玄関帳場代替措置が認められるようになりました。
改正法の内容をお伝えしたところ、さっそくチャレンジしたいとご依頼いただくことに
保健所とやり取りを重ね、いざ、新幹線で東京駅から3時間と少し、岡山駅に降り立ちました。
玄関帳場の代替として政令で定められる要件は次の3つ
①10分以内の緊急時駆付け体制を備えること
②ICT機器等を利用し本人確認や宿泊者の出入りを確認できること(ビデオカメラ等の設置)
③鍵の受渡しを適切に行うこと
今回のケースでは、1つのホテル(1号館)にはフロントがあり、そこにはスタッフが常駐しています。それぞれ別の営業許可を受けている2号館・3号館は、1号館から徒歩約2分の距離にあり、何か緊急事態あっても10分以内に駆けつけることが可能ですので①の要件はクリア
宿泊者のには1号館に立ち寄ってチェックイン(宿泊者名簿の記載)します。本人確認の上で客室の鍵を渡しますので、③の要件もクリア
②に関しては、2号館と3号館の建物の出入口に宿泊者やその他の人の出入状況が確認できる位置にビデオを設置する工事を行いました。付設工事にあたり注意したのは旅館業法衛生等管理要領にある「宿泊者の本人確認や出入りの状況の確認を常時鮮明な画像により実施すること」です。
ビデオカメラの選定にあたり、色々な機種を比較検討しましたが、最近のカメラ機器は”人や物の動きを感知してカメラが作動する”無駄の少ない性能の優れたものが多く(実務的にはこちらが良いのでしょうが)、そうすると「常時確認を実施」とは言えなくなってしまうので、録画されっぱなしになる機種を採用しました。
他にも「映像の保存可能時間が(要領の関係で)短いのですが大丈夫ですか?』という質問をよくいただきますが、「常時(リアルタイム)でモニタリングする」ことが要件なので、記録は問題になりません。(宿泊者名簿の保存・保管と混同しないこと)
倉敷市では前例がないということで(まだ改正されたばかりですから)、カメラの設置場所や機種なども保健所担当者と何度も打合せたうえで工事を行い、説明資料を添付した変更届け出を提出。現場検査を経て、無事にフロント集約が実現しました
お客様は、業務効率化と人件費削減の観点からフロント1つに集約したいと長年願っており、本当に喜んでくださいました
お客様に喜んでいただけることが、私にはいちばん嬉しいこと。仕事の充実感や喜びというのは、どんな仕事でも共通かもしれませんね。これからも、お客様に喜んでいただける仕事ができるよう精進していきたいです
仕事のあとは、岡山の美味しい海の幸山の幸、時期に間に合った白桃やピオーネをた~っぷりいただきました「晴れの国おかやま」は私も大好きなので、出張も本当に楽しくて・・・・また行く機会ができないかなあと早くも考えています。瀬戸内周辺で民泊や旅館業を検討されていらっしゃる方がいましたら、ぜひお声がけください(笑)