秋晴れでお出かけ日和の週末は、渋谷にて投資家の方を対象とした民泊セミナーへ登壇しました
実際に旅館業・新法民泊を運営されている個人投資家の方との2部構成でしたが、法施行以後の民泊ビジネスの好調さは目を見張るものがあります。無許可民泊の多くは、旅館業や住宅宿泊事業の届出が難しい分譲マンションで行われていたため、今後合法化が進んだとしても、6月以前までの供給数まで回復することは難しいでしょう。特に東京都内は東京オリンピックの期間はボーナス期間もありますし、収益的な期待は大きいですね
本日は、金融法務の許認可実務について解説いたしますファンドビジネスを検討するにあたり、事業化に必要となるのは、行政に対する許認可申請です。申請先は、取り扱うファンドの権利の内容や、事業者の事務所所在地により、国(国土交通省や金融庁)になるケース、各都道府県になるケース様々あります。意外と混乱しやすい申請先。まずは、この確認からスタートしましょう
私たち行政書士の業務は、依頼者(クライアント)の代理人となって行政手続きを行うこと例えば、建設業免許の申請の依頼を受けたら、クライアントの代わりに書類を作成して行政に申請するのが一般的な流れです。ところが、金融関係の許認可業務は、そうはいきません
申請前に、行政との綿密な相談・協議を、クライアントと一緒に進めていくのが一般的な流れ。どちらかと言えば、申請より事前相談がメインで時間がかかりますし、行政書士はクライアントをサポートする立場に回ります。
ファンド1つにしても、どのような内容のファンドか個々の会社によって異なるので、その点を申請前にしっかり固める必要があり、実際に事業を行っていく事業者(クライアント自身)が法令をしっかりと理解しなければならないからです。
申請に先立ち事前相談を行うにあたり、一体どのような準備を進めればよいのでしょうか事業化を検討しているので、凡その事業計画が存在するかと考えられますが、例えば、次のような資料を準備しましょう。
①会社概要
沿革、資本金、役員数、従業員数、行政庁から受けている許認可等。
関連会社がある場合は、関連会社全体の概要が分かるもの。
②組織図
会社の構成と、それぞれの部署とその業務内容がわかるもの。特にファンド業務の具体的な業務を行う(予定も含む)担当部署がわかるもの。ファンド業務においては、実際に業務を行う部署と、その業務を管理監督する部署が独立していることを求められることが一般的です。
③会社の事業としてファンド事業の許認可・登録申請を検討した背景
それまで会社が行ってきた事業と関連して、ファンドのコンセプト、事業目的等がわかるもの。
④想定しているファンド事業の概要
取り扱うファンドの種類、想定している事業や案件、投資家層、クラウドファンディング事業(電子取引業務やインターネット上での募集)の活用有無等
⑤審査基準への充足
それぞれの法令で求められる人的要件、財産的基礎などの客観的な審査基準を満たしていることがわかる証明書等
⑥財務諸表(貸借対照表と損益計算書等)
まずは、自分たち(会社)が何者であるか、どのようなファンド事業を検討しているのかを行政に対して説明し、知ってもらうことが第一歩です
法規制の主な目的は、事業者に対する業務規制という手段により、業務の適正な運営を確保すること、それによって投資家の利益の保護とその事業(市場)の健全な発展に寄与することです。適正な規制を設けることで、経営基盤がしっかりとしてきちんと業務を遂行できる事業者にのみ業務を行わせることで、ファンド事業に対する社会的信用力を高まり、私たち国民の経済発展にも貢献します。
したがって、「自分たちがやりたいから」ではなく、規制の目的から鑑みつつ申請書類をまとめていくことが、許認可を得る上ではとても重要なポイントになります