本日は、注目の新組織形態「DAO(自律分散型組織)」に焦点を当て、その背景や実装について詳しくご紹介いたします。
Web3時代における新しい共同事業スキームについての情報は、ぜひお見逃しなく
Web3の概要とメリット
Web3は、中央集権的なWeb2の進化版として注目を浴びています。
分散型のアプリケーションやサービスが増加し、その中でもDAOが新しい共同事業スキームとして浮上しています。
透明性、セキュリティ、分散型の意思決定など、Web3の主なメリットにより、プロジェクトに参加する柔軟性が向上しています。
引用:「自由民主党 政務調査会デジタル社会推進本部」より
自民党による「DAOルールメイクに関する提言」の了承
2024年1月25日、自民党は「DAOルールメイクに関する提言~我が国における新しい組織のあり方について~」を了承しました。
提言では、自律分散型組織(DAO)の法的な課題に焦点を当て、解決策を提案しています。以下は提言のポイントです。
- 合同会社型DAOの重要性
- 合同会社を活用したDAOに焦点を当て、法令や税・会計における課題解決に向けた第一歩と位置づけられています。
- 提言の方向性
- 具体的な提言の方向性が示され、DAOの普及と課題解決に寄与する詳細が説明されます。
- 社員権トークンの取扱い
- 収益分配制限付き合同会社型DAOの社員権トークンに関して、金商法上の有価証券に該当させない方針を検討しています。
- 社員の募集活動
- 業務執行社員以外の社員が社員権の取得勧誘を行う場合も、金融商品取引業に該当しないようにする方針です。
- 匿名性の確保
- DAOの匿名性を確保するため、氏名の代わりにKYC済みのウォレットの記載を検討しています。
- 貢献に対する報酬
- DAOに貢献した者に対して社員権を与える方法について、具体的な方策の検討が行われています。
- 参加者の多様性
DAOにおいて、自治体や外国人、未成年なども含め、様々な構成員が参加できるよう、各種規制の整備を検討しています。
DAOを合同会社に実装する理由
なぜDAOを合同会社に実装するのか
その理由は以下の4点です。
- 法人格の有無
- 合同会社には法人格があり、法人格のないビークル(例:任意組合)よりも取引当事者になりやすくなります。
- 社員の無限責任
- 組合員(投資家)が無限責任を負う任意組合と異なり、合同会社では社員(投資家)の有限責任性が確保されているため、投資家保護に寄与します。
- 設立コストの低減
- 合同会社の設立は株式会社に比べてコストが低いです。
- 組織構造のシンプルさと柔軟性
- 合同会社は株式会社に比べて組織構造がシンプルであり、柔軟性が高い特徴があります。
これらの理由から、DAOの実装にあたり、まず合同会社が選ばれたものと考えられます。
最後に、上記はあくまで合同会社型DAOの法制化を提言するものであり、DAOの実用には法令改正が必要である旨をお伝えします。
今後もブログやメルマガで最新の情報をお届けしていきますので、引き続きご愛読ください