
本日は不特法Q&Aをお届けします。
今日のテーマは、「不動産特定共同事業の匿名組合契約の権利を事業者(営業者)が買取ることはできるのか?」という、事業者にとって非常に気になるであろう内容です。
【質問】
不特事業の匿名組合契約において、匿名組合員(事業参加者)がその契約上の権利を譲渡する行為は法令に規定されていますが(法第25条第1第8号、則第47条第2項第13号)、第三者に対する譲渡のみならず、営業者に対する譲渡も許容されるのでしょうか?
【回答】
匿名組合の契約上の権利を営業者である不動産特定共同事業者に譲渡することは可能です。
【解説】
不動産特定共同事業契約(不特法第2条第3項第2号に規定)は、商法第535条に基づく「匿名組合契約」に該当します。商法には、匿名組合契約に係る権利(債権)の譲渡に関する具体的な規定がありません。
このように特別法である商法に規定がない場合、一般法である民法が適用されます。
民法第466条では、債権は原則として自由に譲渡できることが定められており、譲渡先に関して特段の制限はありません(例外として、性質上譲渡が認められない場合や、契約上譲渡が制限されている場合などはありますが、それでも譲渡自体の効力は妨げられないとされています)。
このため、匿名組合における匿名組合員としての権利(債権)を、営業者に譲渡することは妨げられません。
匿名組合契約の権利を営業者に譲渡した場合、営業者が同一契約上の債権と債務を持つことになります。でも、同一人物が債権と債務を持っているのは、すっきりしない気がしませんか?
この場合、債権(匿名組合出資金)はどうなるのか?
次回はこの点について解説します🤗