「建築物」該当性がポイント!コンテナやトレーラーハウスに不動産特定共同事業法の適用はある?

週末はとても暖かく東京は桜が見頃になってきましたチューリップチューリップチューリップお花見も自粛ムードですが、連休は運動不足解消に隅田川をてくてくお散歩したり、テラス席でお茶したり春を楽しみましたコーヒー

 

本日は、3月16日付の全国賃貸住宅新聞で連載中の「不動産クラウドファンディング 事業化のポイント」をご紹介します。

前回の記事「不動産特定共同事業の適用範囲☆太陽光発電ファンドや、トレーラーハウス・民泊ファンドも規制対象?」では、太陽光発電ファンド、民泊ファンド、ホテルファンドのそれぞれについて、不動産特定共同事業法(不特法)の適用に関する論点を解説しました。

今回は、貨物輸送のために使用される「コンテナ」や、自動車でけん引可能な車輪付きの移動型住居「トレーラーハウス」を投資対象とするファンドについて、不特法の適用有無を解説します。

不動産取引の定義

不特法における「不動産」とは、宅地建物取引業法に規定する宅地又は建物をいいます。

宅建業法に「建物」は定義されていませんが、一般的には建築基準法に規定する「建築物」を指すと解されています。

不動産の売買、交換又は賃貸借を「不動産取引」といい、不動産取引から生ずる収益又は利益を投資家に分配するファンドには、不特法の規制が適用されます。

つまり、コンテナ/トレーラーハウス投資ファンドに対する不特法の適用有無の判断にあたっては、コンテナやトレーラーハウスが「建築物」に該当するか否かがポイントとなります。

コンテナ投資ファンド

貨物輸送のために使用されるコンテナは建築基準法上の建築物には該当しませんキョロキョロ

建築物に該当しないコンテナのみを投資対象とし、その賃貸借(リース)から生ずる収益又は利益を分配するファンドは、不特法の規制対象外です。

しかし、投資対象のコンテナの一部を土地に定着させ、住宅や倉庫等として使うのであれば、当該コンテナは「建築物」として扱われることとなり、コンテナ投資ファンドは「建築物の賃貸借(すなわち、不動産取引)から生ずる収益又は利益を分配するファンド」に該当し、不特法の規制を受けることになります。

トレーラーハウス投資ファンド

それでは、ホテル等の用に供するトレーラーハウスを投資対象とするファンドの場合はどうでしょうか?

移動のための車輪が付いているトレーラーハウスは、次の全ての要件を満たす場合は「建築物」に該当しないと整理理されることがあります。

・トレーラーハウスが随時かつ任意に移動することに支障のある階段、ポーチ、ベランダ、柵等がない。

・給排水、ガス、電気、冷暖房等のための設備配線や配管等をトレーラーハウスに接続する方式が、簡易な着脱式である。

・規模(床面積、高さ、階数等)、形態、設置状況等から、随時かつ任意に移動できる。

建築物に該当しないと整理された場合は、そのファンドに不特法の規制は適用されません。

借地型トレーラーハウス・ホテルファンド

応用編として、土地オーナーと事業用定期借地権契約等を結び、借地の上に「建築物」に該当しないトレーラーハウスを設置し、旅館業法に基づく許可を受けてホテル事業を営むファンドについて考えてみましょう。

このファンドは土地や建物を所有しないため「宅地又は建物の売買・交換」は行われません。

またホテル事業から得られる宿泊料収入は「不動産の賃貸借」から生ずる収益には該当しません。

すなわち、「不動産取引」が行われないため、このファンドに不特法の規制はかかりません。

 

税務上のメリット

建築物に該当しないと整理されたコンテナやトレーラーハウスは、税務上「器具及び備品」や「車両及び運搬具」扱いとなり、建物よりも短い耐用年数で、定率法に基づき減価償却を行うことが可能です。そのため、建築物に該当しないトレーラーハウスを投資対象とするファンドには、投資期間の初期に多くの減価償却費を計上できるメリットがありますコインたち

減価償却費等によりファンドが純損失を計上した場合、投資家が法人であれば帰属損失額を損金計上することが可能です。

 

実際にキャンプ場や大型興行施設の近くでは、実際に組立で完成する「コンテナ」を活用したコンテナホテルの建築が行われていますウインク

 

法規制を考えるうえで、要件・定義はもっとも重要かつ検討がおもしろい部分ですルンルン

法律からビジネスへ、ビジネスから法律へ・・・いろいろなアイディアを考えるなかで、新しい発想やビジネスが生まれてくるのではないでしょうか。

 

先週は不動産ファンドのご相談を受けている福岡のクライアント様とミーティングを行いました。

お土産に福岡空港限定のチョコレートを全身に纏ったひよこのお菓子をいただきましたヒヨコヒヨコヒヨコ

ひよこは東京のお菓子と思っていたのですが、発祥は福岡なのですね。

ほろ苦いビターチョコでかえって甘さ控えめに感じられ、和洋のコラボがとても美味しいですハート

ぜひ福岡に行く機会がある方はチェックしてください。

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