こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみです
先週の香川出張に続き、今週も連続の出張でした。
名古屋のクライアント先の会社にて不動産特定共同事業(FTK)法のコンプライアンス研修会の講師を務めたり、仙台の顧問先で、FTKファンド組成や今後の事業展開について打合せを行ったり。
もちろん通常業務もありますし、年末に向けて、恵比寿や麻布、新宿でホテル開発プロジェクトも進行中
現場で内装工事業者と打合せしたり、保健所の現場調査に立ち会ったりと、目が回る忙しさです
この上なく、ありがたいことです
『全国空き家再生セミナー 2020』に専門家講師として登壇
FTKの注目が高まった2019年に続き、来年2020年1月から3月にかけて、福岡、札幌、大阪、名古屋、岡山、東京の6大都市にて、『全国空き家再生セミナー』に講師として登壇します
全国空き家再生セミナー 2020 https://hello-renovation.jp/producer/seminar2020
このセミナーは、国土交通省のコンサルティングパートナーである(株)エンジョイワークスが、全国の空き家再生を目指す事業者向けの教育プログラムとして提供するもの
宅建業者、まちづくり団体、企業、自治体、地域金融機関のみなさま対象のセミナーです。
まちぐるみでの空き家再生事業の組み立て方、資金調達スキームについて、事例を通して学ぶことができます。
ワークショップを通した参加者同士のネットワーキング、空き家再生に取り組む地域の協力者を見つけることができます。
カピバラ好き行政書士は、FTKの法律専門家として、全国6都市を行脚します
1/15(水) 福岡
1/20(月) 札幌
1/28(火) 大阪
2/13(木) 名古屋
2/17(月) 岡山
3/9(月) 東京
セミナーでは不動産特定共同事業法の許認可はもちろん、FTKファンド組成の実務に関連する様々な法令も解説する予定です
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本ブログでは、そんなFTKの実務に関連するルールの1つである「金融商品販売法」を紹介したいと思います
金融商品販売法とは?
金融商品販売法(平成13年施行 18年改正)は、幅広い金融商品の販売に関して損害賠償請求ができるとした法律です。
金融商品販売法の対象範囲
預貯金、定期積金、国債、地方債、社債、株式、投資信託、金銭信託、保険・共済、抵当証券、集団投資スキーム(ファンド)持分、様々なデリバティブ取引、有価証券オプション取引、海外商品先物取引などが対象です。
「金融商品取引法」の対象範囲より広くなっていますが、商品先物取引(国内)は対象となっていません。
不動産特定共同事業法に規定される不動産特定共同事業契約も金融商品販売法の規制対象となります。
(金融商品販売法)
第二条 この法律において「金融商品の販売」とは、次に掲げる行為をいう。≪略≫
七 不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第三項に規定する不動産特定共同事業契約(金銭をもって出資の目的とし、かつ、契約の終了の場合における残余財産の分割若しくは出資の返還が金銭により行われることを内容とするもの又はこれらに類する事項として政令で定めるものを内容とするものに限る。)の締結
金融商品販売業者による説明義務
金融商品販売業者が以下の行為に違反したことにより損害を被った場合には、販売業者に損害賠償請求ができます。(ただし、立証責任は消費者側にあります)
契約内容のうち、特に重要な事項について販売業者に説明義務を課し、その違反により損害を被った場合
販売業者に断定的判断の提供等を禁止し、その違反により損害を被った場合
重要事項の説明義務
金融商品販売業者(不特事業者)は、顧客に対し、以下の重要事項を説明しなければなりません。
(1)リスクに関すること
・元本欠損のおそれがあること、あるいは、当初元本を上回る損失が生じるおそれがあること
・リスクに関する具体的な説明(市場リスク、信用リスクなど)
・取引の仕組みの重要な部分
不動産特定共同事業による商品の場合、予定される分配が配当できない可能性があることや、
対象不動産の価格変動や地震・火災による減損のリスク、予定の時期に売却できないリスク、
元本の償還がなされない可能性があること、事業者の信用リスクや、法改正による規制変更のリスクなどが考えられます。
(2)権利行使期限や解除できる期間の制限に関すること
権利行使期限・・・ある期間を過ぎると価値がゼロになる商品の場合は、その期限解除できる期間の制限・・・「契約を解除できない」とか、「一定期間は解除すると違約金が発生する」といった場合
不動産特定共同事業契約については、法第26条に「書面による解除」(=8日間のクーリング・オフ)の規定があるので、契約時には併せてクーリング・オフの説明もすることが必要です。
不特事業者は、クーリング・オフ解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができません。また、事業参加者に不利な特約条項などは無効となります。
勧誘方針の策定義務
金融商品販売業者(不特事業者)は、金融商品販売法9条の規定に基づき、勧誘方針を策定・公表しなければなりません。勧誘方針は、金融商品販売法業者(不特業者)が策定し、社外に公表するポリシーです。
(勧誘方針の策定等)
第九条 金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとするときは、あらかじめ、当該勧誘に関する方針(以下「勧誘方針」という。)を定めなければならない。≪略≫
2 勧誘方針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 勧誘の対象となる者の知識、経験、財産の状況及び当該金融商品の販売に係る契約を締結する目的に照らし配慮すべき事項
二 勧誘の方法及び時間帯に関し勧誘の対象となる者に対し配慮すべき事項
三 前二号に掲げるもののほか、勧誘の適正の確保に関する事項
3 金融商品販売業者等は、第一項の規定により勧誘方針を定めたときは、政令で定める方法により、速やかに、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
金融商品販売法9条3項及び同法施行令12条にある通り、勧誘方針の策定及び不特の営業を行う事務所への掲示は
不動産特定共同事業者の義務であり、違反者は50万円以下の過料が科されます。
不特法の許可/登録を申請するにあたっては、あらかじめ勧誘方針を策定するとともに、許可/登録を受けたら直ちに勧誘方針を掲示するよう気を付けましょう