旅館業法施行条例の改正点、フロント代替措置の解釈は自治体によりけり

こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみです。

消防・内装工事が加わる旅館業の申請は、行政書士業務の中では扱う期間が長い業務と言えます。

ただいまカピバラ好き行政書士事務所では、旅館業の申請ラッシュです。

 

どうも毎日バタバタ忙しいと思い、同時に抱えている案件を数えて自分でもびっくりしています(笑)。

おまけに6月前後に各自治体の条例も改正されたので、その対応に追われています。

 

規制緩和で旅館業許可のハードルが下がったと思いきや、微妙な(でもクリティカル)点が変更されていたり・・・

その変更内容も区によってバラバラなのです。

 

いちばん頭を悩ませるのは「玄関帳場の代替措置」です。

原則として玄関帳場の設置が必要な旅館・ホテル営業ですが、旅館業法施行令の改正により、「宿泊しようとする者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基類する設備を有すること」により玄関帳場の代替措置が認められるようになりました。

その具体的な内容は、下記2点です。

①事故が発生したときその他の緊急時における迅速な対応を可能とする設備を備えていること。
②宿泊者名簿の正確な記載、宿泊者との間の客室の鍵の適切な受渡し及び宿泊者以外の出入りの状況の確認を可能とする設備を備えていること

ところが、この「迅速な対応」を「可能とする設備」や、「鍵の適切な受渡しを可能とする設備」などの厳密な解釈は自治体に委ねられており、これがそれぞれ異なっている(特に東京都23区では区ごと)ため、内容把握と場合によっては交渉が必要(それは過重な解釈なのではないか等)ので、骨が折れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

豊島区で旅館業申請中の池袋の一軒家です。

保健所立会い検査日に新条例の内容を伺ったところ、豊島区では鍵の受渡しは対面しか認めない方向であるとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じく豊島区で旅館業申請中の1棟もののホテル。以前はマンションとして使われていました。

 

 

 

 

 

 

 

北上野のオフィスビルからのコンバージョン案件。用途変更が終わり、工事はこれからです。

検査済証がなかったので、国交省のガイドライン調査を実施したため時間がかかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調査のため一部破壊してあり、床には奈落の底のような穴が・・・・落ちたら骨折間違いなしです💦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは銀座からも近い超好立地の、中央区の新築マンションの用途変更案件!

中央区では玄関帳場の代替措置は認めない上に、定員に応じたロビーの確保も必要です。

住宅の場合、浴室に追い炊き機能がついていると厄介です。

 

大規模な用途変更にはかなりの費用と労力がかかりますし、関係者も多岐にわたるので神経を使います。

そのぶん、許可が下りた時の喜びも大きいものです。

プロジェクトチームの仲間とお客様と一緒に祝杯をあげられるよう、今日も頑張ります!

 

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