民泊や旅館業は宿泊施設において営まれるため、不動産の取得がビジネスに深く関わります。しかし、利便性のよい好立地にある物件は価格が高く、古民家は不動産担保価値が低く金融機関の融資がつかないなど、取得にあたる資金調達に苦労することがよくあります。
そこで、代替的な資金調達手段として注目されているのが「クラウドファンディング」です(公財)不動産流通推進センター発行の「月刊フォーラム21」にて執筆しておりますので、購読されている不動産コンサルティングマスターの皆様、ぜひご覧ください
そもそも、クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」を組み合わせた造語です。
新規事業に興味を持ったり、社会的事業に共感した人々が、インターネットを通じて寄付や投資を行うものをいいます。
まさにIT時代のプロジェクト近年、クラウドファンディングは非常に盛んにおこなわれており、資金を調達したい事業者と、資金提供者をインターネット上でマッチングするプラットフォーマーも続々と登場しています。プラットフォームとしては、CAMPFIREやMUSIC SECURITIESが有名です。
クラウドファンディング3類型
クラウドファンディングは、①寄付型、②購入型、③投資型の、大きく3類型に分類できます。
①寄付型:主に教育、環境保全、災害支援など公益性の高い事業において利用されます。資金提供者(寄付する人)は提供する資金についての見返りは受け取りません。「災害復興支援として寄付をお願いします」とインターネット上で呼びかけるイメージです
②購入型:事業に対する資金提供者が、その対価(見返り)として商品やサービスを受け取るものです。事業者目線では、資金調達以上に広告宣伝等マーケティング手法として活用されるケースが多いです。
「築100年の古民家をゲストハウスにリノベーションするプロジェクトです。1口(1万円)以上出資してくれた方にオープニングパーティご招待、10口以上出資してくださった方に1日無料宿泊券をお渡しします」というプロジェクトが考えられます。
③投資型:事業に対する資金提供者が、その対価として有価証券を受け取るものです。事業に対する投資リターンを提供するため、比較的大規模な資金を集めることができます。有価証券の種類としては、一般的に商法上の匿名組合契約や民法上の任意組合契約に基づく権利が用いられます。
①②は、特段、法規制の対象にはならなりませんので、資金調達者・プラットフォーマーともに比較的気軽に行うことができます。
しかし、③の投資型クラウドファンディングについては、扱う権利が有価証券となるため、資金調達者やプラットフォーマーに金融商品取引業法や不動産特定共同事業法の規制が課されます。
不動産特定共同事業法や金融商品取引業の規制については長くなるので、次回に譲りたいと思います
そでは、また