不特法アドバイザーの石井くるみです
江戸時代に城下町として栄え、古い土蔵や商家が数多く残る観光地・川越。
川越市では、景観重要建造物等の保存や
利活用を促進・支援する取り組みが行われており、
先週3月11日・12日の2日間にわたり
「歴史的建造物の利活用見学会 ×新たな資金調達手法セミナー」
が開催されました。
本セミナーでは、
古民家の利活用事業を先行して進めている
株式会社エンジョイワークス(神奈川県鎌倉市)、
川越市の歴史的風致維持向上支援法人である
NPO法人川越蔵の会による
歴史的建造物の利活用の事業計画をつくるワークショップが行われ、
私は、「小規模不動産特定共同事業」をはじめとして、
事業型ファンドやソーシャルレンディング、少人数私募債など
歴史的建造物等の利活用において有効な資金調達方法について
お話をさせていただきました
講演会場は明治時代に建築された「小島家」(築120年)
つやつやと輝く手入れの行き届いた内部は、
事業者に貸し出す利活用の実証実験中
すてきな会場の雰囲気が写真から伝わるでしょうか
川越市では、景観重要建造物などの修繕に補助金を出し、
古い建物の保全に努めていますが、
中には老朽化や相続対策に悩む所有者が、
建物を取り壊すため例も相次いでいるといいます。
将来世代に受け継いでいきたい文化財であっても、
維持管理の労力や費用が所有者(相続人)に
大きな負担となることもしばしば
行政による補助や助成にも限界があります。
貴重な歴史的建造物を「保存」するだけではなく、
観光地としての魅力をますます向上することや
Withコロナ時代の新しい生活様式や働き方のニーズに合った
「利活用」を進めていきたいものです。
複数の投資家が出資を行い、
共同事業として不動産を取引・運用し、収益を分配する
「不動産特定共同事業」の活用により、
経済的リターンの追求だけでなく、
地域活性化等への貢献をも目指す「志ある資金」等を活用して、
空き家・空き店舗を再生する取組等の推進が
広がることを期待しています