全国賃貸住宅新聞連載「不動産ファンドの法規制(スキームとライセンス)」&Birthday感謝のきもち

この秋は台風や雨が多く、気温の変化も大きいですが、みなさま体調など崩していませんか?

 

カピバラ好き行政書士は、忙しくも元気にしていますうずまき

新宿、渋谷、港区での新規の旅館業申請や、不動産金融の相談や打合せ、セミナーで毎日どたばた。

ブログにできない内容も多くて(笑)、気がつけば、久しぶりの投稿となってしまいましたアセアセ

 

さて、このところ「不動産特定共同事業法」にもとづく不動産ファンドの相談が増えておりますが、

 

「不動産特定共同事業とリート(REIT)ソーシャルレンディングとの違いは・・・・何?」

 

という質問をよくいただきます。

 

さまざまな種類がある不動産のファンド商品。

インターネット上で申込み可能な商品を検索すると、どれも建物の写真、運用期間、利回りが記載されており、同じように見えることは無理もありませんキョロキョロ

 

しかし、裏側のスキームとかかわる法規制には大きな違いがあるため、不動産クラウドファンディング事業化の検討にあたっては、不動産ファンドを取り巻く法規制を理解し、自社に最も適したファンドスキーム及びランセンスを選択することが重要です。

 

「全国賃貸住宅新聞」の連載10月号では、特に重要な法規制である金融商品取引法(金商法)と不動産特定共同事業法(不特法)に基づく代表的なファンドスキームを紹介しています。

 

 

金商法と不特法-規制対象の違い

不動産クラウドファンディングでは、ファンド商品の組成に「組合」という共同投資の仕組み(例:商法上の匿名組合)を使うことが一般的です。組合契約に基づく権利は、金商法上の「有価証券」に該当するとされており、組合を使ったファンドを組成しようとする事業者は、原則として金商法のライセンスを取得しなければなりません。ただし、組合ファンドの投資対象が「実物不動産」の場合は、金商法ではなく不特法のライセンスが必要となります。

 

そして、金商法に基づく代表的なスキームに「ソーシャルレンディング」と「GK-TKスキーム」があります。

 

ソーシャルレンディングは、不動産を担保にした貸付け

ソーシャルレンディングとは、「貸付金」を投資対象とするファンド商品をインターネットで個人投資家向けに販売する仕組みであり、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれます。ソーシャルレンディング商品の多くは「不動産担保ローン」を投資対象としていることから、ソーシャルレンディングは不動産クラウドファンディングの一種とも位置付けられます。

 

ソーシャルレンディングでは、ローンの金利に合わせてファンド商品も利回り固定となる「デット型」で設計されます。

 

①貸付を行うための貸金業登録

②ファンド商品を募集するための第二種金融商品取引業

 

の2つのライセンスが必要です。

 

 

GK-TKスキーム

GK-TKスキームとは、不動産の信託受益権を保有する合同会社(GK)に対し、匿名組合(TK)を通じて共同投資を行うスキームを言います。投資対象である不動産の信託受益権は金商法上の有価証券に該当するため、金商法の規制が適用されます。

 

従来、GK-TKスキームに基づくファンド商品はプロ投資家向けに提供されてきましたが、2018年8月に不動産クラウドファンディングサイト「OwnersBook」を運営するロードスターキャピタル(株)が、同サイトを通じて秋葉原のオフィスビルを投資対象としたGK-TK型のファンド商品を個人投資家向けに募集しました。

 

GK-TKスキームの商品は、一般的に不動産の運用及び売却により生じた損益に応じて、ファンド商品の利回りが変わる「エクイティ型」として設計されます。

 

GK-TKスキームのファンド商品を提供するには、原則として

 

①ファンドで信託受益権(有価証券)を運用するための投資運用業登録

②ファンド商品を募集するための第二種金融商品取引業の

 

2つのライセンスが必要です。

 

不特法に基づくスキーム

不特法に基づくスキームには、事業者が自社内部にファンドを作る「1号事業」と、事業者とは別の法人を設立してファンドを作る「特例事業」の2つがあります。

 

「実物不動産」を投資対象とする不特事業は、「不動産担保ローン」や「不動産信託受益権」を投資対象とするソーシャルレンディングやGK-TKスキームに比べて仕組みがシンプルです。

 

不動産特定共同事業を行うには、「1号事業」「特例事業」のそれぞれについて、「1号許可」「3号許可」のライセンスが必要です。

 

スタバで一服・・・・・照れ

 

商品設計の自由度が不特法スキームの魅力

従来の不動産証券化の実務では不特法に基づくスキームはあまり使われてきませんでしたが、近年のクラウドファンディング市場の拡大を受け、不特法に基づく個人投資家向けのファンド商品の組成事例が増加しています。

 

不特法に基づくファンド商品は、GK-TKスキームと同様に「エクイティ型」として組成するのが標準ですが、優先劣後という仕組みを使ってソーシャルレンディングと同様の「デット型」として組成されることもあります。

 

また、匿名組合ではなく「任意組合」という契約形態を利用することで、不動産を直接保有していることと同じ相続税法上の扱いを受けることができるなど、ソーシャルレンディングやTK-GKスキームにはない商品を作ることも可能です。

 

このように、商品設計の自由度が極めて高いことが不動産特定共同事業の魅力です。

自社の得意とする不動産の規模・用途に応じて、投資家のニーズに合う、バラエティー豊かな商品が今後もどんどん増えていくことを期待していますウインクラブラブ

 

先日、〇回目の誕生日を迎えましたピンク薔薇赤薔薇赤薔薇

打ち合わせや検査など忙しい普段通りの平日でしたが、たくさんのお祝いメッセージやお花をいただいたり、幸せな一日でしたイチョウイチョウ

健康で平和に仕事ができることが何よりも恵まれたことと痛感する今日この頃です。

 

 

来年の誕生日も、同じように笑って平和に迎えることができますようにハート

(そして、行政書士としてますますパワーアップ!)

今後も、どうぞよろしくお願いいたしますキラキラ

 

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