不動産ファンドのご相談とはまた別に、民泊や旅館業の相談も多く受けております。
他国の例によると、オリンピック期間中の宿泊料金はおおよそ通常の8~10倍程度ということで、「東京オリンピックに間に合わせたい!」と新規参入が止まらない様子。
そんなわけで、せっせと現地⇆保健所を行ったり来たり。
先週は渋谷区幡ヶ谷の古民家の旅館業の申請が1件、恵比寿の1棟ビルと港区西麻布と新橋1丁目の新規相談、新橋4丁目の変更届などなど。よく出入するため、保健所の方とも顔見知り仲良くなり、出かけるのが楽しみになります♪
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港区赤坂にて旅館業申請を行っていたアパートメントホテルの営業許可が下りました。
六本木や麻布など、都心でも特にホテルの人気が高い東京都港区。
本日は、赤坂のアパートメントホテル「グランツ赤坂」と港区での旅館業申請のポイントを紹介します!
airbnbでのリスティングはこちらです。
https://www.airbnb.jp/rooms/39279147?source_impression_id=p3_1572828601_7t%2F2%2Fafat2nkmA6w
依頼者から本件旅館業許可取得のご相談を初めて受けたのは、2018年の秋に遡ります。
すでに2018年6月施行の住宅宿泊事業法の届出を行い、民泊ビジネス(住宅宿泊事業)を営業していた依頼者から、「180日の制限なく通年営業が可能な旅館業のライセンスに切り替えたい」という要望を受けて業務を受任しました。
許可を取得したのが、ちょうど1年後の2019年の10月。
なぜこんなに時間がかかったのかというと、建築基準法の改正など諸々の事情があったためです。
その辺りの詳細については、スマイスターマガジンBizで解説しているので、よろしければご覧ください。
https://www.lvnmatch.com/magazine/article/column/minpakusaizensen/8586/
建物は3階建の築浅の1棟アパートで、延べ床面積は170㎡ほど。
1-2階はワンルームの部屋6室(定員2名)となっています。
ビジネスホテルのようなコンパクトな客室で水回りは3点ユニットですが、築浅なのでとてもキレイです。
3階は45㎡の広めの部屋が1室となっています。
中には小部屋が3つあり、それぞれ洗面所がついているなど、少しシェアハウスのような構造になっています。
トイレは2つ、キッチンが1つありますので、2世帯家族やグループ旅行にも適しています。
玄関帳場(フロント)はなく、代替設備を設置しました。建物入口の共用部にチェックイン(宿泊者名簿入力と本人確認)を行うためのタブレット端末を設置しました。来訪したゲストは、まずここで宿泊者名簿の入力し、Webカメラを通じて運営会社が宿泊者の本人確認を行います。本人確認完了後に、各客室の鍵を開けるための暗証番号を連絡し、入室するという流れです。
また、宿泊施設の出入り状況を建物共用部の上部に設置したビデオカメラにより24時間体制で監視しています。緊急時は、提携先の建物管理会社が駆付けを行ってくれることとなりました。
一連の手続きがスムーズに運ぶよう、関係者で何度も話し合い、調整を行いました。
客室で問題になったのは、照度と近隣施設に関することです。港区では、施設照会の実施の他に、保護対象施設と旅館業施設が近接する場合は、客室内部を遮断する構造としなければならないというルールがあります。
また、旅館業施設では客室は40ルクス以上、廊下などは20ルクス以上の照度(明るさ)が必要とされています。人間の目は明るさの調整機能がついていますが、カーテンを閉めて実際に照度を計測すると非常に暗いことがあります。
検査当日は、土砂降りの雨の日で、保健所職員、運営会社、管理会社の皆様も大変だったと思います。駆けつけの拠点から本当に10分で移動できるのかを確認するため、全員で傘をさしながら歩きました。
宿泊事業は大勢の人がかかわり、各業務を分担して、協力し合いようやく整います。
無事に営業許可が下り、ホッとすると同時に関係者の皆様にお礼を申し上げます。
行政書士の役割は、いったんこれで完了となりますが、今後の事業の発展をお祈りしています。