新年明けましておめでとうございます
昨年も友人、仲間、お客様に支えられたくさんのことを学びました。
さまざまなご縁に恵まれ、健康で平和にお仕事できること、とても幸せなことと日々感謝しています。
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「不動産特定共同事業法の適用範囲」
さて、本日は連載執筆中の月刊不動産フォーラム２１の12月号の記事についてご紹介いたします。
「不動産特定共同事業（FTK）のすべて」連載第２回では「不動産特定共同事業法の適用範囲」と題して、
①太陽光発電投資ファンドに不特法は適用されるか？
②トレーラーハウス投資ファンドに不特法は適用されるか？
③ホテル事業ファンドに不特法は適用されるか？（ホテル物件を第三者から賃借し、当該物件で営むホテル事業から生じる収益（宿泊料）を匿名組合員に分配する場合）
上記３つの実務論点について解説しています
「不動産特定共同事業法（不特法）」は、投資家から集めた資金を不動産取引で運用する運用事業者（アセットマネジャー/AM）と、投資家－AM間の投資契約の締結をマッチングする仲介事業者（プラットフォーマー）の二者に対して許可制を導入し、様々なルールを定めています。宅建業法と同じく、いわゆる「業者規制」ですね。
そもそも、「不動産特定共同事業」とは何でしょうか
法律では、”不動産の売買、交換又は賃貸借から生ずる収益又は利益を分配することを約束する契約”を「不動産特定共同事業契約」と定義しています（法2条3項各号）
不動産特定共同事業契約に関連する事業が「不動産特定共同事業」であり、対象スキームの違い（自己型かSPC型か）及び事業者の役割の違い（AMかプラットフォーマーか）の違いの観点から第１号事業から第４号事業に分類され、法に基づく規制の対象となります。
AMが投資家から資金を集め、当該資金を一定の資産や事業（例：有価証券、貸付金、不動産、宿泊事業、発電事業等）に投資し、得られた運用益を投資家に分配する仕組みを、一般的に「ファンド」といい、ファンドは、一般的に金融商品取引法（以下、「金商法」）の規制を受けます。
ただし、ファンドのうち、アセットマネジャーが「不動産取引」による運用を行い、不動産取引から生じた収益又は利益が投資家に分配される一定の契約が「不動産特定共同事業契約」に該当する場合は不特法の規制が適用されます。
そのため、計画しているファンド事業に不特法が適用されるか否かは、
①投資対象に「不動産取引」が含まれるか
②投資家との契約が「不動産特定共同事業契約」に該当するか
で判断します。
不動産取引とは？
不特法における「不動産」とは、宅地建物取引業法（以下、「宅建業法」）２条１号に掲げる宅地又は建物をいい（不特法２条１項）、「不動産取引」とは、不動産の売買、交換又は賃貸借をいいます（不特法2条２項）。
宅地建物取引業法2条1項において宅地とは、「建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法８条１項１号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むもの」と定義されています。
建物については、不特法と宅地建物取引業法のいずれにおいても定義されていません。
宅地建物取引業法において、「建物」とは建築基準法2条1号に規定する「建築物」と同義であると解釈されることが一般的です。
建築基準法において建築物とは「土地に定着する工作物のうち、(a)屋根及び柱若しくは壁を有するもの、(b)これに附属する門若しくは塀、(c)観覧のための工作物又は(d)地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所，店舗，興行場，倉庫その他これらに類する施設をいい、建築設備を含む」としています。
以上を踏まえて、
①太陽光発電投資ファンドに不特法は適用されるか？
②トレーラーハウス投資ファンドに不特法は適用されるか？
③ホテル事業ファンドに不特法は適用されるか？
をそれぞれ検討してみると、
①ファンドが所有する資産である「太陽光発電設備」は「建築物」に、その敷地に供する「土地」は「宅地」に該当するのか？
②トレーラーハウスが「建物」、すなわち建築基準法２条１号の「建築物」に該当するか否か？
③ホテル事業から生じる宿泊料は不動産取引に該当するか否か？
これらが解を求めるためのポイントになることがわかります
みなさまもぜひ、考えてみてください
もしご興味がございましたら、ぜひ月刊フォーラム２１をお手に取っていただければと思います