民泊と消防法① 届出にあたり必要となる、消防法関係の手続とは!?

こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみですクマムシくん

8月のお盆も過ぎ、楽しい夏シーズンも後半に差し掛かりましたね。

カピバラ好き行政書士は、来週にちょっと遅めの夏休みを取り、山梨県に遠出する予定ですぶどうぶどう

いまから夏休みが待ち遠しいです爆  笑!

 

消防法令、きちんと守っていますか?

さて、住宅宿泊事業法(民泊)の施行から2ヵ月が過ぎ、届出件数も着実に増えてきました。

しかし、仕事がら多くのホスト(住宅宿泊事業者)と話していると、届出後に消防法令を遵守できていない例が多く見受けられます。

例えば・・・

 

● 届出前に消防署に相談に行ったきりで、実際には、必要な消防用設備を設置していない

● 消防用設備を設置したが、消防署の検査を受けていない

● 民泊の開始にあたって、消防署に必要な届出をしていない  などなど

 

特に東京都では、民泊の届出にあたって「消防法令適合通知書」の提出が不要とされているため、これらの手続が不要なものと誤解されているホストが多い印象を受けますダルマ

違法状態とならないよう、いまいちど、東京都の火災予防条例を例に、民泊の届出にあたり必要となる消防法関係の手続を解説します!

 

 

(1) 「防火対象物工事等計画届出書」を提出する

一部の家主同居型(ホームステイ型)民泊を除き、届出住宅には、自動火災報知機、誘導灯、消火器といった消防用設備の設置が必須です。

消防用設備の設置工事にあたっては、工事の7日前までに、工事内容を記載した「防火対象物工事等計画届出書」を消防署に提出しなければなりません!

根拠は東京都火災予防条例56条です下矢印

(防火対象物の工事等計画の届出等)

第五十六条 一時的な使用のために行う場合を除き、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の七日前までに、規則で定めるところによりその旨を消防署長に届け出なければならない。ただし、建築基準法第六条第一項及び第六条の二第一項の確認を受けた場合並びに同法第十八条第二項の通知をした場合(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)は、この限りでない。

 

一 令別表第一各項((十九)項及び(二十)項を除く。次条において同じ。)に掲げる防火対象物のうち令第十条第一項各号若しくは第二十一条第一項第三号及び第七号に掲げる防火対象物(令第十条第一項第五号に掲げる部分を有する防火対象物を含む。)又はその部分(以下「指定防火対象物等」という。)の建築(建築基準法第二条第十三号に規定する建築をいい、増築しようとする場合においては、防火対象物が増築後において指定防火対象物等となる場合を含む。)

 

二 指定防火対象物等の修繕、模様替え、間取り又は天井高さの変更その他これらに類する工事

 

三 前二号に掲げるもののほか、指定防火対象物等の客席又は避難通路(第四十八条、第四十九条、第五十条又は第五十一条の規定の適用がある劇場等、キャバレー等若しくは飲食店の階又は百貨店等の階若しくは地下街の物品販売業を営む店舗の一の構えに限る。)の変更

 

四 前三号に掲げるもののほか、防火対象物の用途変更その他これに類する変更(当該防火対象物が変更後において指定防火対象物等となる場合に限る。)

(2) 「消防用設備等設置届出書」を提出し、検査を受ける

消防用設備を設置したら、その内容を記載した「消防用設備等設置届出書」を消防署に提出して、消防署の検査を受けなければなりません。

東京都における民泊の届出では「消防法令適合通知書」の入手は不要ですが、消防用設備の設置に係る消防署の検査は必須である点、間違えないように注意しましょう!!

根拠は消防法17条の3の2です下矢印

 

第十七条の三の二 第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者は、同項の政令若しくはこれに基づく命令若しくは同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二の五第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合には、それぞれ第十七条の二の五第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。以下「設備等技術基準」という。)又は設備等設置維持計画に従つて設置しなければならない消防用設備等又は特殊消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、総務省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。

(3) 「防火対象物使用開始届出書」を提出し、検査を受ける

届出住宅にて民泊サービスを提供する7日前までに、 「防火対象物使用開始届出書」を消防署に提出し、検査を受けなければなりません。

この検査は、前述の「消防用設備等設置届出書」に係る検査と同時に行うのが通常です富士山

根拠は東京都火災予防条例56条の2です下矢印

(防火対象物の使用開始の届出等)

第五十六条の二 令別表第一各項に掲げる防火対象物又はその部分を使用(一時使用を除く。以下この条において同じ。)しようとする者(前条第一項各号(新築を除く。)に掲げる行為をしたのち使用しようとする者を含む。)は、当該防火対象物又はその部分の使用を開始する日の七日前までに、規則で定めるところによりその旨を消防署長に届け出なければならない。

 

2 前条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

 

3 指定防火対象物等を使用しようとする者は、当該指定防火対象物等の使用開始前に、消防署長の検査を受けなければならない。

 

4 前条第四項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。

これらの消防法令に基づく手続をうっかり忘れて民泊営業を開始していないか、今一度チェックしましょう!
他にも、定員30名以上の施設(民泊ではあまり想定されませんが・・・)では、防火・防災管理者の選任の届出や、消防計画作成の届出といった手続も必要となります。
消防法令に違反しないよう、専門家のアドバイスを受けながらコンプライアンス態勢を構築しましょうウインク

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