4月2日に申請を行った小規模不動産特定共同事業(第1号・2号)の登録が5月29日付けで完了しました
登録完了の見込みについては、事前に連絡を受けていたので、当日中に事業者(申請者)様と国土交通省へ登録証を受け取ってきました。
案件がひとつ無事終了して、とても安堵しています
不動産特定共同事業法を活用した不動産ファンドに注目が集まる状況について、全国賃貸住宅新聞社から取材を受けました。
せっかくの機会なので、記事内容をご紹介します
不動産関係者向けに法務コンサルティングを行う日本橋くるみ行政書士事務所(東京都中央区)の石井くるみ代表が投資家から小口資金を集めて不動産の運用を行う不動産特定共同事業法(以下、不特法)のライセンス取得に関する不動産会社からの相談件数が増えてきていることを明かした。
石井代表は「1年前は2カ月に1件のペースだったが、現在は月に6,7件寄せられる」と話す。なお、ライセンス取得完了までは半年から1年ほどかかる。 不特法では、従来は厳格な許可制度のみが存在し、資本金が最低1億円であることや直前3年の財務諸表の監査証明を受けることなど許可要件が厳しかった。しかし、平成29年12月の不特法の改正により、最低資本金や監査証明といった要件が緩和された「小規模不動産特定共同事業」が創設され、中小規模の不動産会社の新規参入が容易となった。
平成31年4月には不特法施行規則が改正されてファンドの余剰資金の運用制限が緩和された結果、投資対象不動産を入れ替えて無期限でファンドを運用するREITタイプのファンド組成が登場するなど、不特法を活用した新しいビジネスが広がっている。
石井代表は、相談件数が増加した背景に、スルガ銀行の不正融資問題等で、個人による大規模な不動産投資が難しくなってきたことが影響していると指摘。「不動産について十分な知識と経験を持たない個人投資家に多額の借入を行わせて不動産投資を勧めるビジネスモデルは終わり、今後はプロの不動産特定共同事業者による適切な管理のもと、個人投資家が余裕資金の範囲内で不動産に共同投資していく流れが主流になるだろう。」(コメント)
5月時点ではマンスリーマンションを運営する(株)レジデンストーキョー(東京都渋谷区)の石井代表の支援で登録完了となった。小規模1号と2号の同時取得を果たしたのは同社が3社目となる。
新聞でも紹介された(株)レジデンストーキョーの野坂代表取締役からは、プレスリリースにて次のお言葉をいただきました
■レジデンストーキョー 代表取締役CEO 野坂幸司より
このたび、レジデンストーキョーは令和初、融庁・国土交通省大臣登録業者としては全国で3社目となる小規模不動産共同事業者としての登録を受け、幅広い投資家に投資機会を提供する土台が出来たことを非常に嬉しく思っております。当社してはこれまで培った運営ノウハウをさらに磨いて投資家の方に安定的なキャッシュフローを得られる機会を創出することに努めます。登録にあたってご尽力いただきました行政書士の石井くるみ先生ならびに関係者の皆様に感謝申し上げます。
無事に許認可を通して、クライアント様から感謝の言葉をいただくときが、行政書士として最も幸せな瞬間です
申請に際し、多大なるご協力を頂いた会社の皆様にこの場を借りて心より御礼申し上げます
なお、現在も小規模不動産特定共同事業、小規模でない原則1号許可など、いくつかの案件を並行してお受けしています。
ひとえに「不動産特定共同事業」と言っても、事業者のビジネスのフィールドが都心のもの、地方のもの、
ファンドの商品設計についても、地方創生&空き家活用的なものから、都心のレジデンス中心の純粋な投資的なものまでさまざまです。
申請に際しては、まず商品設計とスキームの概要を固めてから準備を進めることになります。
- 対象の投資家層はどのような人を想定しているか?
- 不動産は土地からの開発か、既存建物の転用か、リノベーションなど工事は発生するか?
- 不動産はどのように活用し、分配原資は賃料収入と売却益どちらを重視するのか?
- 不動産の購入元や売却先は誰を想定しているのか?
- 優先劣後構造の採用、借入の有無
- 運用期間や利回りの想定は?
お客様の意向を確認しつつ、商品のイメージを膨らませることはとても楽しいです
法令や行政解釈により、できることできないこと、様々な制約が存在します。
法令は「投資家保護」の観点から、事業者を規制しているのです。
しかし、信頼できるプロの不動産会社に余裕資金の範囲内で不動産投資・運用をしてもらえることは、
多額の借金をして1つの不動産にリスクを集中させるより、投資家にとってよほど安心ではないかとカピバラ行政書士は考えます。
そこで重要になるのは、やはり「この事業者なら安心して任せることができる」という信頼感
新規の申請の際は、行政も慎重な姿勢で、ハイリスクだったり、複雑な多層構造の商品設計は認めません。
着実な配当・償還の実績と信頼を積み重ねることで投資家と行政双方から指示を受け、徐々に商品設計の自由度も広がっていくでしょう。
長期的なビジョンでお客様と商品を育てていけたらな‥‥と思います