賃貸住宅新聞の連載と賃借人の無断民泊営業に対する対処法

全国賃貸住宅新聞連載「賃貸経営に役立つ民泊知識」第8回は、民泊の3つの運営形態とそれぞれのメリット・デメリットを解説しています。

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さて、賃貸経営に関連して旅館業・民泊申請のご依頼をいただく中で、物件の所有者様から、「賃借している部屋で、民泊営業をされてしまって困っています。何とかしてくださいビックリマーク」という相談を受けることがありますキョロキョロ

 

宿泊者の騒音やゴミ出しマナーが悪く、近隣からの苦情が来る・・・・

賃借人から部屋を取り戻して、自分が民泊営業を始めたい・・・・

 

 

理由は様々あるのでしょうけれど、まず始めに確認しなくてはならないのは、賃借人と締結した賃貸借契約書です。

民泊営業が無許可か、許可を得たものであるかは行政と事業者との間の業規制の問題であり、物件所有者と賃借人との問題は、賃貸借契約の内容が直接的に関係します。(もちろん、無許可の民泊は旅館業法違反ですが、それを取り締まるのは所有者ではありません)

 

 

【ケース1】

民泊として使用することを承諾して賃貸借契約を結んだが、契約を解除したい。

賃貸借契約書には特約で「民泊として使用することを承諾する」の記載がある。

賃借人は、行政には無許可・無届で民泊事業を営んでいるようだ。

 

賃貸借契約を締結する段階で、賃借人が民泊事業を営むことを承諾したにもかかわらず、後から「自分が民泊事業を営みたくなったから、出て行ってください」と主張するのは難しいと考えてください。

ここで問題になるのは『「民泊」という文言が具体的に何を指しているのか』です。

住宅宿泊事業の届出には、賃貸借物件の場合、「物件所有者からの承諾」を提出する必要がありますが、その契約書(又は承諾書)には「住宅宿泊事業」の用に供する旨を承諾するという文言を求める自治体があります。つまり、単なる「民泊を承諾する」と書いてあるだけでは届出が受理されないということです。したがって、この場合は「民泊」の文言が示す意味を再度、賃借人と協議する必要が出てきます。(別の切り口では、賃借人の無許可の民泊営業について保健所や警察に通報するという方法があります)。

 

 

【ケース2】

居住用として賃貸借契約を結んだが、賃借人が無断で、無許可・無届の民泊事業を営んでいるようだ。

 

このケースの解決は難しくありません。居住用として賃借させているのに、事業である民泊事業を営んでいるということは、使用目的遵守に違反が認められるためです。契約書に記載されている使用目的の遵守条項に基づいて、宿泊事業の停止を催告しましょう。停止しない場合は無許可の宿泊事業について保健所・警察に通報するとともに、賃貸借契約を解除する旨を通知するのが◎です。

 

契約解除の条件は通常は賃貸借契約に記載があると考えられますが、記載がない場合でも、一般法である民法616条に基づいて契約を解除することができます。

 

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