こんにちは、カピバラ好き行政書士の石井くるみです
今週は、久しぶりに本格的なリアルセミナーからスタート
御茶ノ水のガーデンパレスホテルで開催された総合ユニコム主催の「不動産特定共同事業(FTK)講座」に登壇しました
このFTK講座は月1回ペースで全4回の開催予定です。
第1回「不動産ファンドの法律とスキーム解説」
第2回「不動産特定共同事業(FTK)の商品設計とマーケティング戦略」
第3回「「不動産特定共同事業(FTK)の社内態勢構築とファンド組成実務」
第4回「不動産特定共同事業(FTK)の分別管理と会計実務」
各回が独立してるので単独で受講可能で、全4回で不動産特定共同事業(FTK)の全てがわかる充実した内容です
久しぶりのリアルセミナーはのような状況かと私自身も少し緊張していました。
「4時間の長丁場、マスクのまま喋るのだろうか・・・」と一抹の不安もありましたが、
主催者やホテル側の細やかな配慮いただいたおかげでストレスフリーでした
座席はゆったり、テーブルごとに1名着席、前後は1テーブル間隔を空ける
講師席はプラスチックのついたてがあるため、マスクなしで講演することができる
1時間ごとに休憩をはさみ、扉や窓を開放して換気を実施
言葉が飛び交う全体での質疑応答はなし(質問がある場合は個別に行う)
名刺交換や個別質問はマスクをしつつ会話
次回の第2回「不動産特定共同事業(FTK)の商品設計とマーケティング戦略」は9月28日(月)の予定ですので、ご興味がある方はぜひご参加ください
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さて、前回のブログでは、不動産を追加取得や売却を繰り返し、また、出資の追加募集を行いつつ、不動産を入れ替えながら運用してい「対象不動産変更型」ファンドの特徴について解説を行いました。
今回は、不動産特定共同事業法において、対象不動産変更型契約を結ぶために要請されるルールについて解説していきます
「対象不動産変更型契約」約款の内容の基準
不動産特定共同事業法は、『対象不動産変更型契約』の不特法ファンドを組成するためには、対象不動産の変更の予定がない一般的な不特法ファンドで規定・説明すべき内容に加えて、対象不動産変更型契約特有の説明事項や投資家保護の規程を追加するよう定めています。(詳細は、不動産特定共同事業法施行規則第11条と第43条に規定されているので、詳細を知りたい方は条文をご覧ください)
例えば次のような内容を、約款に定めたり、契約前に投資家に説明しなければなりません。
対象不動産の追加取得の方針及び手続
・追加取得する不動産の方針、選定基準(エリア、規模、築年数、用途、借入方針、比率)
・対象不動産の追加取得の手続に関する定め
・対象不動産の追加取得の方針及び手続の変更に関する定め
・対象不動産の追加取得の方針及び手続の変更に反対する投資家を保護するための対応(契約解除や買取請求権の確保など)
・追加取得する不動産の価格が適正であることを担保するためのルール(公正な第3者である専門家から意見を求めるなど)
投資家から集める金銭の運用方法
・取得前金銭、特定金銭、業務上の余裕金、業務外金銭それぞれにより運用可能な方法が異なる
・特定金銭+業務外金銭は全体財産の3割まで。超えてしまったら出資者に返還すること。
利益相反取引のコントロール
・利害関係人との取引を行う場合には、あらかじめ時期、価額、価額の算出根拠などを事前(2週間以上前)に説明する規定を設ける
投資家への情報提供
・対象不動産を売却したときは、30日以内に売却した不動産の情報、売却日、価格、売却先との関係、今後の追加取得の予定に関する情報などを投資家に提供すること。
・対象不動産を追加取得した時は、30日以内に追加取得した不動産の情報、取得日、価格、購入先との関係、今後の運用方法やそれにかかる費用、今後の売却予定に関する情報などを投資家に提供すること。
出資の追加募集について
例えば、3億円でマンションを1棟取得し、ファンドで運用中とします。
新たに良質な物件情報が出てきたので追加取得したいが、運用中のマンションの状況も順調だから手放すタイミングではない。
追加の資金が必要だ・・・・。
このように対象不動産を売却せず追加取得する場面では、出資者を追加で募集することが想定されます
対象不動産変更型契約においては、既に締結された契約において、不動産特定共同事業契約の締結の追加(追加募集)の予定の有無に関する定めを設ける必要があります。
追加募集を予定する場合は、最低でも次に掲げる定めを設けなくてはいけません。
追加募集開始前に、事業参加者に対し、募集予定総額、募集方法、追加取得する対象不動産の情報や取引方法を通知すること
追加募集の募集額の決定方法、募集方法に係る公正な手続
募集累計額の上限を定める場合には、上限額に関する定め
追加募集を原因として、追加募集前からの投資家の不動産特定共同事業に係る権利の価格が変動するおそれがある旨や想定される変動概要
変更する対象不動産の選定や時期、方法について第3者からアドバイスを受ける予定がある場合は、そのアドバイザリーに関する情報
対象不動産の売却等及び追加取得に係る判断について、公正な第3者(弁護士、公認会計士又は不動産鑑定士等の不動産の専門実務家)が関与して適正に行われることを担保するための必要かつ適切な措置に関する定め
対象不動産の追加取得や、契約の追加募集は、既存の投資家にとって非常に大きな影響を及ぼす可能性があるので、事前に公正な手続き(「対象不動産の追加取得の方針」、「追加募集の手続き」)を定めることが必要です。
特に方針そのものを変更する場合においては、反対する事業参加者の保護(契約上の権利や義務を事業者が買い取ることや、別の第3者への譲渡をサポートするなど)が必要となります
有期とするか、無期限とするか?契約解除の手続きと基準
契約期間に関する定め
ファンドは無期限で運用するとしても、個別の投資家と締結する匿名組合契約の期間を有期とすることはもちろん可能です。
また、契約期間を定めないとすることも可能です
購入後にいつでも自由に換金することができる投資信託を「オープンエンド型ファンド」と呼んだりしますが、株や債券のように金融市場で流通しない不動産ファンドにおいて契約期間を定めない場合、投資家から契約解除の申し出があった場合に、事業者自身が権利の買戻しを行うか、それともなど他の投資家に譲渡するかなど、その流動性(投資家による投下資本の回収)をどのように確保するかがとても大きな課題と言えるでしょう。
しかし、無制限に契約解除に応じることでファンドの継続に支障をきたすことも、他の投資家(契約解除の申出を行っていない投資家)の利益を損ねることとなりますので、両者のバランスを図ることが重要です。
不動産ファンドでは、建物の減価償却に伴い現金がファンド内に留保されるので、その留保された現金を原資に、一定の契約解除に応じるなどの工夫が考えられます
さまざまな論点がありますが、本日の内容はこの辺りで
対象不動産変更型契約に興味をお持ちの方は、カピバラ行政書士にお気軽にお問い合わせください
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区分所有不動産共同投資契約 ~最強小口化スキームの解説~New
2020年9月8日(火) 11:00 -11:50 (50分)
※原則、インターネットでのライブ受講となります(先着順で3名まで会場受講も可)
総合ユニコム主催 不動産特定共同事業(FTK)講座(全4回)
第1回『不動産ファンドの法律とスキーム解説(基礎講座)』 8月31日(月)13:30~17:00
第2回『不動産特定共同事業(FTK)の商品設計とマーケティング戦略』 9月28日(月)13:30~17:00
第3回『不動産特定共同事業(FTK)の社内態勢構築とファンド組成実務』 10月28日(水)13:30~17:00
第4回『不動産特定共同事業(FTK)の分別管理と会計実務』 11月27日(金)13:30~17:00
詳細はこちらhttps://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/seminar/2020/pdf/20200812.pdf
不動産特定共同事業(FTK)専用の業務管理システム
インターネット版「不動産特定共同事業(FTK)法コンプライアンス&ファンド組成実務」(2020年3月19日収録)
改正犯収法対応・不特法(不動産ファンド)のコンプライアンス&ファンド組成を解説した実務セミナー
DVD・インターネット版「新・旅館業法のすべて」
民泊だけでなく、既存のホテルビジネスを大きく変える「新旅館業法」を解説
DVD・インターネット版「民泊と旅館業の合法化実務」
旅館・ホテル営業の最新ノウハウを網羅した、民泊合法化の解説セミナー。
石井くるみ著『民泊のすべて』をプレゼント
DVD・インターネット版「民泊管理業参入セミナー」
住宅宿泊管理業参入のノウハウが凝縮されたセミナーが、インターネットで受講できます
当事務所の紹介は『日本橋くるみ行政書士事務所HP』 をご覧ください。
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