2018.7.10 日経新聞朝刊「民泊 波乱の幕開け」に掲載

2018年7月10日付の日経新聞「民泊波乱の幕開け(1)個人家主の嘆き(迫真)」に、当事務所代表の石井くるみのインタビューコメントが掲載されました。

民泊新法は旅館業法のような許可制ではなく、届け出制。行政手続法は記載に不備がなく必要書類が添付され、定めた形式に沿っていれば、提出先に届いた時点で手続き義務が履行されたものとする、と定めている。行政書士の石井くるみ(31)は「届け出制の趣旨に反し、法令に定めのない資料やサイン、立ち入りを求める例もある」と打ち明ける。

届出については、行政手続法37条において次のように定められています。

第五章 届出
(届出)
第三十七条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

すなわち、(1)住宅宿泊事業の届出書の記載事項に不備がなく、かつ(2)法令に定められた形式上の要件に適合している場合には、届出が提出先の保健所に到達したときに、届出の手続上の義務は履行されることになっています。

上記(1)(2)の要件を満たしたにもかかわらず、住宅宿泊事業の届出書の受理を拒否された場合には、行政手続法37条の規定に基づき受理の拒否はできない旨を保健所に伝えましょう。

 

【参考】総務省・行政手続法Q&A – Q24

Q24 届出をしようとしたら、役所が受け取らないと言っているのですが、どうしたらいいですか?

A 届出とは、役所に対して一定の事項を通知する行為であって、そのことが法令で義務付けられているものです(そのため、役所からの処分(例えば、許可をする/許可しない)を前提としている「申請」は除かれます。)。

届出に必要な書類がそろっている、定められた様式で届出が記入されているなど、法令が定める形式上の要件を満たす届出が提出先とされている役所に届いたときは、「届出をする」という手続上の義務は完了したことになります。

したがって、役所は、形式上の要件を満たす届出が正しい提出先に到達したら、その届出がなかったものとして取り扱うこと(例えば、届出を受け取らない、返却するなど)はできませんので、その旨を役所に説明してください。

ただし、形式上の要件を満たす届出が正しい提出先に到達しても、その届出の内容に誤りがある場合など、その届出の根拠となる法令の要件を満たしていないものは、届出としての法律的な効果は発生しません。
(第37条)

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